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Pasir Panjang @Singapore [Singapore]

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―DAY5― 6月20日

今日も朝からカラリと晴れて熱い。

この国では2月頃から10月ぐらいまでは「乾季」にあたる。
その言葉の響きは日照り続きのひび割れた大地を思い浮かばせるが、実際はスコールの回数が少なくなるだけ。
ムシ暑さは割り増しになり、外を歩けばたっぷり汗まみれで、「乾」などという文字からは遠い気分だ。

6月下旬ともなるとすでに夏は盛りで、入梅前の日本からやって来た身には赤道直下の日差しがキビシイ。

シャワーで目を覚まし、10時の待ち合わせに合わせ、出かけることに。

目的地はMRT『Pasir Panjang(パシ・パンジャン)』駅。
SNSで知り合いになった在住の方においしい「プロン・ミー(蝦麺)」の店を教えておらうことになり、
その店がこの駅の近くにある、というので現地集合の運びとなったわけ。

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新興開発のマリーナ・エリアに近い『パシ・パンジャン』は辺りになにもなく、
無機質な埋立地にだだっ広い空地が広がっているだけだ。
駅を降りる人も少ないため、待ち合わせに手間取ることもなく、あっさり集合できた。

「売り切れると閉まる」というのでお互いの紹介もそこそこに、駅から1~2分の場所にある店を足早に目指した。

住宅街への路地の入口、角の建物の1階が吹き抜けになっていて、そこで数軒のお店が営業している。
シンガポールらしい、ここそこで見かける情景だ。(写真2)
その一角に人が集っている、こちらの祈りが通じたのか、店はまだ営業を続けていた。

なにもない住宅街なのだが、クルマが駐車されたかと思うと人が降り、店に吸い込まれていく、
土曜日だからなのかもしれないがそれらのホトンドが家族連れだ。

「ここですよ。よかったあ、まだ営業してた」

案内してきた身としてはホッとしたのだろ、ひと心地ついた彼女に促され、店に入る。
「入る」といってもホーカーズ・スタイルなので、店先に並ぶテーブルから空いている席を確保するだけだが。

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「なににします?」

シンガポールの場合、ホーカーズやこの手の出店の場合、メニューがないことがホトンド。
観光客が来るようなホーカーズであれば、英語や日本語で書かれたメニューや品書きがあったりするが、
大概の場合、一つの店はひとつの料理を扱うので、
「チャーシューファン(焼豚飯)」ならチャーシューファン、
「ワンタンメン(雲呑麺)」ならワンタンメンとシンプルに見えるのだが、
そうカンタンに事が進まないのがシンガポール・スタイル。

ご飯ものの場合、選択肢もないのでオーダーはあっさりと決まるが、
麺類はちょっと厄介、店先には中華麺や米麺、白い素麺から黄色い幅広麺まで5~6種類が並び、こちらを悩ませる。
さらに麺を選んだだけでは決着せず、
丼スタイルの「スープ」なのか、麺とスープが別々の「ドライ」なのかを選び、ようやくオーダーが定まるのだ。
想像すると組み合わせは2~30種類、シロウトはケガするぜ。

店先に説明書きや案内板があるはずもなく、フラッとやって来た観光客や外国人は戸惑い青ざめていく、
店先で忙しそうなオババに「どうするのさ?」なんて詰問状態になったりして、余計に顔色が悪くなっていくのだ。

この国で働きはじめた頃、英語も未熟な身としてはまずはこのパターンにハマった。
毎日のランチが闘いのフィールド、青ざめる昼食。

オーソドックスな「フィッシュボール・ヌードル(魚丸麺)」一つ頼むのにモタモタ、オロオロ、
店先でアワアワしながら、現物を指差しで頼むのがやっと。
大いなる好奇心と多少の冒険心がありながら、自分の食べたいものが出てこないジレンマを感じていた。

ある日、そのストレスがキレイに解消することが分かった。

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そう、わからないことは尋ねれば教えてくれるのだ、ゆっくり尋ねればいいだけ、あたりまえだけど。
多民族国家のこの国では「英語が未熟なこと」は大したことじゃなかったのですね、勝手に音を上げる自分が悪い。

「持ち帰り? 食べてくの?」にはじまり、
「ドライ? スープ?」
「麺はドレにする?」
「席番号はドコ?」(ホーカーズはテーブルに番号がふられていて、伝えると持ってきてくれる)
という感じで、フルーレの試合でもはじまったかのように矢継ぎ早に突きが繰り出されるわけで、
その突きをじっくり受け止めると意外にも懇切丁寧に教えてくれるのですね、これが。

極端に黙って突っ立っていれば、ベーシックなブツが出てきたりして、意外と拍子抜けしたりも。

旅先では外国語なんかそっちのけ、恐れず、ビビらず、躊躇わず、であれやこれやと尋ねてみましょうね。
スマホやアプリに頼るよりきっとナニカが起こるはず、
楽しいことでもイヤな思い出もそんなことが旅に膨らみを持たせてくれますぜ。

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「来ましたよ」

テ・ペン(アイス・ミルクティ=写真5)を飲みながらしばらく互いの話などしていた。
だいぶ待たされるとようやく店のおばちゃんが両手に器を持って、テーブルに運んでくれた。
彼女は素麺状の白い細麺を「ドライ」で、こちらは太めの中華麺を「スープ」(=写真6)で、
それぞれの器にはドデカイ海老がゴロっという感じで乗っかっていた。

「うほ。オススメの『プロン・ミー』というだけあってエビがデカイですねえ~」

「でしょ、しかもここのは駅だけじゃなくて麺も美味しいンですよ」

「さっそくいただきましょ~!」

麺をすすり、殻付きのエビにカブりつく、剥いた殻はモチロン中華スタイルでテーブルの上だ。
途中、器を交換して、それぞれの麺の味を確かめる、「ひとり飯」じゃないとこういう楽しみもあるよね。

「プロン・ミー」は小ぶりのエビがコロコロ入っているものが定番だったが、
5~6年前だろうか、大きなエビを入れた店が話題をさらい、ちょっとした「蝦麺店」ブームが巻き起こったのだ。
おそらく家賃の関係だと思うが、中心部に人気店は少なく、郊外や住宅エリアで人気店が人を集めていたっけ。

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「よかったあ、こんなところの店、教えてもらって」

「よかったあ、お口に合ったようで」

おかまいなしに手もテーブルも汚しながら食べるのが楽しくておいしいのだ。


MRT Pasir Panjang

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hanamura

ホーカーズ好きです。築地や全国の市場食堂が好き!屋台村、八戸みろく横丁、渋谷のんべい横丁、静岡青葉おでん街・・・あの雰囲気というか、自分(ズブン)の身の丈に合った、飲み食いなのでしょうねぇ。
by hanamura (2016-11-19 11:41) 

delfin

>hanamuraさん

わたしも市場好きです。
ブログ見ていただけるとバレバレですが、どこの国でも市場ばかり歩いてます。

飲み食いが楽しいのはモチロンですが、
生活の一部が垣間見えるというか、ローカル気分で歩けるのが楽しいです。
by delfin (2016-11-20 23:14) 

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