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Free Derry Corner @Derry [Northern Ireland]

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煌めくステンドグラスに魅入られ、『ギルドホール』で予想外の長居をしてしまっていた。

といっても急ぐ旅ではなし、消化しなければならない予定があるわけでもなし。
旅、特に一人旅には「しなくてはならないこと」や「行かなければならない場所」なんてものはないのだ、
ただ知らない街を歩いている、そのことだけで旅の意義は充分なはず。

『ギルドホール』でもらった地図を広げ、ホステルを目指し、街の北に向かって歩いた。

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小さな商店やPUB、食堂が連なる通りを歩くと「ランチメニュー」と書かれた黒板が目に留まる。
コーヒー・ショップのテラス席ではビジネスマンが大きめのビア・グラスを傾け、
ビストロ風の小奇麗な店の中ではランチ・プレートを前に女性同士がおしゃべりに花を咲かせている。
ランチには遅い時間だったが、安宿でガッツリ朝食を食べてきたので宿探しの燃料はまだ残っていた。

番地を頼りに歩くが、目的のホステルのカンバンが見当たらない。

いつもの旅の悪いクセでガシガシと無手勝流に歩き過ぎ、お門違いの場所にまで歩みを進めてしまっていた。
思い留まり、ひょっこりあった両替店でレートを確認するついでに住所を告げ、教えを乞うことにした。

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「この宿のことは知らないけどこの番地ならずっと手前だよ。スーパーマーケットのそばじゃないかな?」

「ありがとうございます。チェックインしたら後で両替に来ます、何時までやってますか?」

「ここは街の外れだから15時で閉めちゃうんだ。
 バス・ターミナルのそばに系列店があるから、気を遣わず、そっちの方に行った方が便利だよ」

重ね重ね礼を言い、来た道を折り返した。
歩き出すと止まらない悪癖、今回もがっつり通り過ぎた様子でスーパーはとうの昔に通り過ぎていた。
スマホ片手にGPS頼りに歩けば、こんな風に迷うこともないのだろうが、
それだと地元の人との交流が激減してしまうので痛し痒し、なんてもっともらしい理由をつけて、
未だスマホを持っていないのです、この旅人は。

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さきほど通り過ぎたバカデカイ『TESCO』まで戻ってきた。

その辺りで一軒一軒、番地を探りつつ、カンバンを見落としてないか上部を見上げつつ、彷徨う。
明らかに迷っている風体とわかるのだろう、スーパー帰りの買い物客が時折、声をかけてくれる。
宿の名を知る人はおらず、解決にはいたらなかったが、
通り名と番地はこの辺りで間違っていないようで犯人には近づいているが尻尾を掴めないそんな状況が続いた。

アメリカなら通りの片側が奇数ならもう片方は偶数、下っていけば番地が増え上れば減り、と話は早い。
アイルランドの片田舎ではそう機能的にはいかないらしく、番地の法則に従ってはいるが、
なにせ番地表示、数字が書かれていなくて、なかなか事件解決の糸口を見出せないでいた。

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『TESCO』の前をうろつくアヤシイ人になりかけていたので、店のガードマンに番地を見せて尋ねてみたりしたが、
要領得ないまま、手がかりも得られずだった。
すると通りの向こうで真っ赤な扉を押し開け、女性が出ていった。
急にその扉が気になり、吸い寄せられるように通りを渡り、
その扉を見ると、そこには『Hostel Connect』のネームプレートが貼られていた。

「え~、ここなの? カンバンもなにもないじゃん、ホステルなのに」そう声に出しながら、ブザーを押した。

「扉を開けて入って来て」

インターフォンの向こうからあっさりと声が返ってくると、続いてドアのロックが解除される音がした。
狭い階段を上がると事務所があり、太っちょの若いスタッフがスナック菓子をつまみながら招き入れてくれた。

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「チェックイン、オネガイシマス、これ、リファレンス・ナンバー」

Webでブッキングした予約番号とパスポートを差し出し、名前も告げた。

「支払いはどうします? キャッシュ? カード?」

「あ、カードで」

1泊13,5ポンド(≒2600円)、ドミトリーで共同シャワー、朝食がついていてこの値段。(写真5)
散々迷った時間はなんだったんだ、というぐらいチェックインは手際よく進み、すぐに部屋を案内してくれた、

「今、シーツと枕カバー、持ってくるね。シャワーは掃除中だから今は使えないよ。
 ベッドは空いているから、好きなところを使ってもらってかまわない」

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案内されたドミトリーはめずらしい3段ベッドで木製のベッド・フレームが真新しく、部屋も清潔だった。
他のベッドに荷物はなく、まだ誰もチェックインしてないようで、迷わずコンセントに近い下段を確保。
PCの入ったデイパックをロッカーに押し込み、カメラバッグだけを手にしてすぐに出かけることにした。

まずはこの街へやって来た主題でもある『Free Derry Corner』を目指す、さいわい宿から近いサイドにある。

ベルファストよりも北上してきたこともあるだろうが、空はどんよりしたままで肌寒い。
街角のデジタル気温計は「7℃」と表示している、おいおい、10月初旬だぜ。
街外れの通りは観光客も地元の人も行き交うクルマも少なく、街の外郭というのにノイズがない空間が続いた。
それが寒さを際立たせているのかもしれなかったが、見知らぬ街の静かな空間を歩いているだけで気分がいい。

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10分も歩かないで『フリー・デリー・コーナー』の大きなモニュメントに出会ってしまった。(写真8)

忘れた頃に観光客がやって来てはなにかの競技のように写真を撮り、そそくさと去っていく。
空はあいかわらず寂しそうな色をしていて、「Sunday Bloody Sunday」が奏でられてもおかしくない情景だ。
ボタンを押すと曲が流れる歌碑などが置かれていたらあるいは彼らも長居したかもしれない。

どうやらこの場所は貸し切りになったらしい、しばらく腰を下ろして、寒空に浸っていた。


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Guildhall @Derry [Northern Ireland]

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街歩きを忘れて、しばらく『ギルドホール』のステンドグラスにシビれていた。

雰囲気を盛り上げるかのようにパイプ・オルガンの調べが流れている。
建物の性質としては街の中心にある「市民ホール」のような感じなのだろうが、
ステンドグラスとパイプ・オルガンが特別な空気を作り出していた。

「いつも演奏は行われているのですか?」

演奏を終え、演壇から降りてきたパイプ・オルガン奏者にそう尋ねた。

「いや、今日だけだよ。メインテナンスのために演奏していたんだ」

「それはラッキーでした。歓迎の演奏を受けたみたいで楽しめました」

「あはは、それはよかった。デリーへようこそ。キミは幸運に恵まれているのかもね」

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奏者が去り、奏でられた調べもなくなったので他のホールを巡り、展示室などを眺め歩いた。
ステンドグラスは広間の大きなものだけでなく、扉の上の部分や階段の踊り場にもあり、こちらを楽しませてくれる。

かつて爆弾テロなどで打ち壊されたこの建物は2013年に改修が完了、
ステンドグラスなどは新しいものだろうが、出迎えてもらうには充分の彩りと輝きを見せてくれていた。

宿を確認し、チェックインしたあとで街歩きに向かうつもりだったが、もう少し見とれることにした。

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Derry/Londonderry @Derry [Northern Ireland]

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―DAY6― 10月2日

今朝もバスに乗っていた、行き先は『デリー』、1時間50分の小旅行の予定だ。

昨日と同じように今朝も安宿にしては気の利いた、というよりすっかり気に入った温かい朝食を食べ、
ミルクをドボドボ注いだインスタント・コーヒーで寛ぎの時間を過ごしたあと、
デイパックに必要なモノだけを詰め込み、キャスターバッグを預け、11時前にチェックアウトした。

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今日の天気も朝から「ストロング・フォギー」、白い霧がまとわりつき、ジャケットが必要な肌寒さに覆われる。
英国領に入ってから天気もすっかり英国風、そんなところ合わせなくていいのに。
デイパックだけの身軽なスタイルで『ヨーロッパ・バス・センター』に歩いて到着、チケット・ブースに並んだ。

「『ロンドンデリー』に行きたいんだけど。往復だと安くなる?」

「今日往復するの?」

「いや、リターンは明日の土曜日で」

「明日の往復ね、少し安くなるわ。11:30のバスがあるけどそれに乗る? 

「乗ります乗ります。カードで支払います」

マイクを通した声はわかりやすくそう教えてくれた。
片道11,50ポンドのチケットが往復で21,50ポンド、少しばかりの割引料金。

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昨日はケバブ・サンドで夕食を手軽に済ませ、スーパーなどをヒヤカした後、ピンクの市庁舎を背にて宿へ向かった。

「明日は空いてないですね、土曜と日曜は空いているけど」

宿に着くや否やベッドの空き状況を尋ねたが、その答えは芳しくなかった。

「う~ん、そっかあ、しかたないね、ありがと」

キッチンで熱いコーヒーにミルクを注ぎ、リビングのソファーに沈み込み、PCでホテルを検索したが、
ベルファストでは安宿も少ない上に週末はすでに埋まっているようで、どうやらこの街での宿無しが確定した。

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地図を広げ、あらためて周辺の街を眺め、掘り下げてみることに。
なにせメインイベントの『ジャイアンツ・コーズウェイ』の奇岩を見終わってしまったので、プランは真っ白、
琴線に触れる街を探し、地図を覗くと『デリー/ロンドンデリー』という地名が目に留まった。

2つの名を持つちょっと変わった街は1972年の「血の日曜日事件」で有名な街だ。

別に歴史に詳しいわけでなく、U2の曲「Sunday Bloody Sunday」(原題)でそのことを知っていただけ。
あの頃は300円でレンタル(!)してきたLPレコードをテープに落としては聴く、ということを繰り返していた。
そのなかにU2の「WAR」があり、このアルバムにシビレてしまい、その後、U2にもどっぷりハマっていった。
U2の中でも特にお気に入りで、CDになっても買い求め、飽きることなく聴き続けていた。

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きっとこの頃から「アイルランド」という国がトゲのように刺さって気になっていたのだろう。
その後、深く知り合うことになるボストンの探偵が「アイリッシュ系」ということもあり、
この国への想いはトゲから枝ぐらいに大きくなっていく。

残念ながら作家が亡くなったことでボストンの探偵に会い続けることは叶わなくなったが、
今も活動を続けるU2はその背中を見続けていて、事あるごとにトゲの存在がちらついていた。
プロモーションのエア・チケットの行き先に「アイルランド」の文字が浮かび上がり、
彼らの国に飛ぶのは悪くないんじゃないか、というか、そのことがチケット購入の背中を押してくれた。

刺さっていたトゲを抜くのに今までかかってしまったが、どうせならトゲの元の樹木まで辿ってみるのはどうだろう。
昨日訪れた『ジャイアンツ・コーズウェイ』のほんの少し西にある街を地図で確かめながらそう思っていた。

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「『ロンドンデリー』行きはどの乗り場ですか?」

「乗り場はあっちだよ。その言い方はしないほうがいい、『デリー』で通じるから」

「はあ、ありがとう」

11:30に出発したバスはアナウンスもなく予定より早い13:10にロンドンデリーにバス・ターミナルに到着した。

「ターミナル」というほどのサイズではなく、「駅前のバス・ストップ」という規模にちょっと戸惑った。(写真3)

「ここ『ロンドンデリー』ですよね?」

「そうだ。『デリー』だよ」

予定より早かったので、まだだろうと座っていたので最後に取り残された格好で、
降りるときにはドライバーはすでにおらず、他のバスを待っていた人に尋ねるとそう答えられた。

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やはりここでも『デリー』と言われ、ぼんやりと違和感が膨んだ。
ターミナルやバスなど公的なものには『ロンドンデリー』と表示されているのになんでだろう、という疑問符とともに。

消化不良の違和感を抱いたまま、ターミナルを後にしたが右も左もわからない。
2時間近く北に向かって走っていただけあり、肌寒さが強くなっていて、感覚的にも不安を煽っていた。

ターミナルの真横に美しい外壁と背の高い塔を持つ建物が威風堂々の佇まいを見せていたので、
まずはそこに立ち寄り、地図をもらうかツーリスト・インフォの場所を教えてもらうことにした。(写真4・6)
通常、街を訪れると荷物を抱えたスタイルで宿探しからはじまることになるが、
いらないものは置いてきたので身軽にいきなり街を闊歩できるので拍子抜けの感じだ。

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立派な建物で出迎えてくれたのは荘厳なパイプ・オルガンの演奏だった。

豪奢な音が響く中、ロビーで地図をもらい、街の見どころなどを説明してもらうと、
この建物が『Guildhall(ギルドホール)』と呼ばれる街の中心的建物であることがわかった。
ロビーの奥には観桜客向けに街の歴史や展示物が並べられている。

係員に礼を告げ、オルガンの演奏に惹かれ、2階に上がると今度は鮮やかなステンドグラスが出迎えてくれた。

広いホールの奥にパイプ・オルガンが据えつけられ、それを囲うかのようにステンドグラスが広がっている。
昼間の陽光に照らされ、パイプ・オルガンの演奏に支えられ、その輝きは割増しで美しく見えた。

「Sunday Bloody Sunday」を聞きながらくすんだ街を歩く、という目論見はどうやら外れたようだぞ。



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