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St. Stephen's Green @Dublin [Ireland]

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ステンドグラスの輝きに別れを告げ、ニギヤカな『Grafton Street(グラフトン・ストリート)』に戻った。

広い石畳の舗道が伸びるこの通りにはブティックやブランド・ショップが軒を連ね、
その店先の広いスペースでは「バスカーズ」と呼ばれるミュージシャンや大道芸人が点在している。
あるいは弾き語り、あるいはジャグリング、あるいは不動のパフォーマー・・・、
平日昼間というのに2~3軒に一人ぐらいの割合で陣取っており、道行く人を楽しませてくれる。

観光名所にありがちなガツガツした感じはなく、
場所があるからパフォーマンスしている、好きだからプレイしている、というのどかな感じだ。
チップをせがんだり、なにかを売りつけてきたりと険悪なムードはなく、まったくもって穏やかな雰囲気。

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心地よい生演奏が流れるなか、石畳を南に戻り、『St. Stephen's Green(セントスティーブンス・グリーン)』へ。

公園の入口では観光馬車が出迎えてくれた、
もっとも彼らが出迎えているのは裕福な観光客か熱を上げたカップルだろうが。
その向こうにはトラムの始発駅がある、今回の街歩きではどちらも乗る機会がなさそうだ。(写真3)

「グリーン」と冠するだけあり、緑の濃い公園というより森を整備したような緑の深さが広がっていた。

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園内を巡る舗装路ではジョギングしている人が多く行き交っている。
陽射しの心地よい芝生では昼寝しているビジネスマンがいて、
その向こうでは小さな子供がサッカーの真似事をしていた。
どこかの国みたいに「芝生に立ち入るべからず」なんてカンバンがあるはずもなく、
公園での「ボール遊び」も禁じられているわけがなかった。

火曜日の昼食前の時間だというのに公園には人影が濃い。
その姿は年配者や家族連ればかりでなく、学生やスーツ姿などバラエティに富んでいる。
休みたいときに休み、働きたいときに働くのがヨーロッパのスタイルなのだ。

芝生で転寝したい誘惑をなんとか振り切り、公園を後にし、また歩き出した。

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『グラフトン・ストリート』周辺にはギャラリーも多く、気になると店内に歩みを進め、写真や絵画を眺めた。
続いて『国立考古学・歴史博物館』、『国立自然史博物館』をくまなく見学して歩く、
なにせ「国立」にも関わらず入場無料なのだ、あまりすることない「見学」をし「学習」するのも悪くはない。

隣接する『アイルランド国立美術館』まで辿り着き、ざっくりとひと回りした後、
美術館併設のカフェテリアでコーヒーを頼み、腰を下ろすことにした。
さすがに歩き疲れ、足を休ませたくもあったが、それ以上にちょっとした出会いに驚かされ、落ち着きたかったのだ。

「こっち、今片付けるわね」

ぼんやりと空いている席を探しているとテーブルを片付けているウェイトレスにそう声をかけられた。

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カフェテリアは吹き抜けが高く、天窓からは外の明るい陽光が差し込んでいた。(写真7)
黴臭く辛気臭くもあった「博物館」ではお勉強の時間だったが、ここはただただ感激のひと時、
絵画のコーナーで唐突に「モネ」や「ピカソ」、「フェルメール」に出会い、
予想していなかった驚きで少しばかり頭の奥が痺れたようになっていた。

ある作品を目指し、美術館に足を運び、その出会いの感激に浸ることもあるが、
「いいなあ、この作品」という感じで眺めていて、作品名を確かめるとかの有名な作家でビックリ、
というのはまことにショックがデカイというか、カウンターパンチを食らったようになる。
下準備なく、いい作品に出会ってしまったことで大いに驚かされていた。
まったくヨーロッパってやつは気が抜けない、しかもここも入場無料だぜ。

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熱いマグを両手で握りしめ、少しばかり呆けていた、ただたんに歩き過ぎでボーっとしただけかもしれないが。

我がバックパッキング・ヒストリーの基点ともいえる「アメリカ一ヶ月間放浪」でシカゴに寄ったのは、
シカゴ美術館でジョルジュ・スーラの『グランド・ジャット島の日曜日の午後』が観たいがためだったなあ。
かつては「ツアー・コンダクター」という仕事に就いていたので、
世界中の美術館で名高い作品のホトンドを眼にすることができたのは本当にシアワセ。
パリの『オランジェリー』やマドリッドの『ソフィア』などツアーの中に繰り込まれてない美術館には、
帰国前の自由時間などにお客さんを連れ、地下鉄に乗って訪れる、なんてこともしていたなあ。

ああ、それにしても美術ファンでもなく、絵画や印象派に傾倒しているわけでもないので、
その筋のファンからすると怒られるかもしれない経験をしているのだなあ、ごめんネごめんネエ。

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カフェインが脳に刺激を与えたのか、そんな回想から自分を取り戻すと腹が減っていることに気づいた。

向こうのテーブルでビジネス・レディが大ぶりのサラダを食べている、ああ、ランチ食べてないや。
旅先でよくやるのだが、知らない街の知らない通りを歩き続けているとその楽しさで、
「三大欲求」は彼方に吹き飛んでしまい、性欲、睡眠欲はmちろん、食べることすら忘れてしまう。
以前も記したが「ロジウラン」や「マチアルキン」といったインチキ脳内物質が溢れ出すと止まらなくなり、
「ウォークマン」あるいは「ウォーキング・デッド」にでもなっているのかもしれない。

朝、宿を出て以来、5時間近く歩き続けていて、とうにランチタイムは過ぎていた。
カフェテリアに腰を下ろしたことで、「ウォーキング・デッド」状態から抜け出せたようだ。
食べ物が並ぶレーンに戻り、トレイを手に取り、大きなサイズの自家製サンドウィッチを乗せ、レジで尋ねた。

「コーヒー、もう一杯もらえる?」

「勝手に注いでかまわないよ。おかわりはご自由に」

「ありがとう」

マグに熱いコーヒーを注ぎ直し、今度はミルクをたっぷり入れ、席に戻った。

ここダブリンではランチは6~8ユーロ、コーヒーは3~5ユーロ、城や教会の入場料は6ユーロ前後なので、
2015年9月の時点での1ユーロ=139円計算だと物価高の印象は否めない。
テイクアウトの安いコーヒーでも3ユーロ、つまりは400円を超える計算。
1ユーロ=100円ぐらいで換算しておくと物価的にも合点がいく、という感じだ。

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エネルギーとカフェインの充填を終え、ふたたび美術館を歩き、気に入った作品をもう一度観たあと、外に出て、
お隣の『Trinity College(トリニティ・カレッジ)』のキャンパスを歩いた。(写真8)

少しばかり日が傾き、気温が下がって来ただろうか、それでもダブリンの一日はまだ終わらない。


St. Stephen's Green


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